OUR JOB

商品企画の仕事

ザ・ホンネ対談 日東のオリジナル商品が生まれる舞台裏

Q.どんな連携で商品を生み出していますか。

天野:
最初に企画を発信するのは、デザイナーである加古さんだよね。
加古:
私の発信というと、なんだか申し訳ないです(笑)。最初のスケッチって本当に、思いつきレベルのモノなので。
天野:
でも、そのアイデアスケッチが重要。それがあるから、「こうしたほうが面白いよね」とか、みんなで具体的なアイデアをたくさん出していける。そうして徐々に、製品の形や構造を決めていく流れができる。
加古:
最初は本当に思いつきなんです。日々の生活の中で、「こんなモノがあったら便利かも」という発想でスケッチを起こしています。でも、そこから全員でブラッシュアップをしていけるので、自分自身もいろんな発見ができますし、心強いです。
天野:
それで、アイデアが段々と具体的な形になっていく過程で、自分が設計図を起こしてく。そんな流れだよね。

Q.グッドデザイン賞の「かるコン」はどのように生まれた製品ですか。

天野:
これは、もともと原型になる収納ケースがあったんです。それを土台に新しいアイデアを考えてみようか…という出発点で、まずは加古さんにアイデアスケッチをお願いしたのが始まりかな。
加古:
この製品に限らず「自由に発想していいよ」という開発スタイルなので、本当に自由に考えています(笑)。私は、樹脂製品や板金製品など、いわゆる「モノのつくりかた」に関する知識がまだ少なくて…。でも、「こんなモノがつくりたい」とアイデアレベルから相談できるし、プロの目線から構造・素材・製造方法まで考えてくれる。この「かるコン」も、フタの部分が立ち上がって持ち運びできるようになると便利だな…という思いつきから始まって、「なんとかならないですか?」と相談を持ちかけたことが始まりでしたよね。
天野:
自分みたいな設計者が考えると、発想が限られてしまう。構造や製造方法を土台に考え始めるから、自由な発想ができないんです。そういう点で、設計の知識がないデザイナーの「面白そう」という発想を出発点にしたほうが、いいモノができるんじゃないかって、みんなで話すよね。
加古:
この「かるコン」も、最初はツールボックスという発想だったんです。でも、いろいろと想像していくうちに、ダイニングテーブルの上に置いておいて、リモコンとかペンを収納する使い方もあり得る…とか。キッチンまわりの細々とした小物の収納にも使えそう、とか。そういう発想で、カタチや大きさを決めていきましたよね。
天野:
これ、設計の段階から「絶対にいいモノになる!」という確信がありました。グッドデザイン賞もぜったい獲れる!と(笑)。
加古:
全員、それは疑ってなかったですよね。ヘンな自信があった(笑)。でも実際に、グッドデザイン賞が受賞できた。
天野:
すごく嬉しかったです。

Q.現在、どのような商品を企画していますか。

天野:
とにかく、アイデアはたくさんあるんですよね。
加古:
ベッドやソファで寝転びながら使えるコンパクトな机とか。天然木の板と鉄脚を組み合わせたラックとか。すでに形になっているものもたくさんありますね。
天野:
商品企画の仕事って、会社として初めてのチャレンジのモノばかり。すごく面白さを感じているんだけど、手探りな部分も多い。発想はいいけど、どうやってつくるのか、とか。つくったはいいけど、どこでどうやって売っていこうか、とか(笑)。
加古:
商品をつくること、販売方法を新しくつくっていくこと。初めてのことを同時進行でやっている感じですよね。ただ、これからオリジナルブランドの商品をいろんなところに展開するためには、商品数が絶対的に足りてない。もっといい商品を増やさなきゃ!と思っています。

Q.今後、手がけてみたい商品はありますか。

加古:
個人的には、もうちょっと、家具に近いモノがつくれたら楽しそうだな…という思いがあります。
天野:
今は、日東のオリジナルブランド商品をこの先、どんな展開にしていこうかと試行錯誤している段階だよね。その中でもちろん、家具に近いインテリア商品を企画する方向もありだと思う。とにかく、いろんな可能性を模索していかないといけないから、逆に、何にでも挑戦できる状況なのかも。
加古:
本当に、どんなジャンルにも果敢に挑戦する風土ですよね(笑)。最初のアイデアに全員が面白そうと感じたら「とりあえず、やってみよう!」というスピード感が好きです。
天野:
「これは難しそう…」と、マイナスな発想をしだしたらキリがないし、企画がまったく進まないからね。まずはやってみる。それで、壁にぶち当たったら、その都度考えようというスタンス。これは何も僕らだけじゃなくて、社長も同じ考えですから!
加古:
常に、壁にはぶち当たっていますけど(笑)。
天野:
でも、それを乗り越えてビジネスにするまでの方策を考えていくのが面白いんだと思う。その結果ヒット商品が生まれれば、また次の商品企画に挑戦できるからね。

プロフィール紹介

天野祐(あまのゆう)

入社:2009年
所属:事業推進部/商品企画チーム/主任

名古屋学芸大学・メディア造形学部卒。大学ではインダストリアルデザインを学び、就職活動時には製品のデザイン・企画・設計に関わる仕事に就きたいと志望先を模索。その中で出会ったのが、製造業である日東だった。エレベーター関連の製品づくりなど、ユニークな事業内容に惹かれた。入社後にCADを学び設計者としてのスキルを磨く。現在は、日東のオリジナルブランド製品の設計・企画を担当。

プロフィール紹介

加古聡美(かこさとみ)

入社:2016年
所属:事業推進部/商品企画チーム/デザイナー

名古屋造形芸術大学・空間デザイン学科卒。大学卒業後、陶磁器メーカーにて食器デザイナーとして活躍。キャリアを積んだ後、インテリアや生活雑貨関連のデザインを手がけたいとの思いから転職先を模索。バラエティ豊かな製品開発を行う日東と出会い、デザイナーとして第二の挑戦を決意。現在は、日東のオリジナルブランド製品の企画・デザインを手がける。2018年、収納ボックス 「かるコン」でグッドデザイン賞を受賞。